行政活動とのかかわり(5)地域包括支援センター

地域包括支援センターと弁護士の連携

介護保険法の改正により、各市町村に地域包括支援センターという機関が設立されています。

地域包括支援センターは高齢者福祉の要となる組織ですので、高齢者やその家族が抱える様々な問題、たとえば、介護、高齢者虐待、消費者被害などの相談に応じる窓口にもなっています。

そこで、地域包括支援センターの事業に弁護士が協力し、高齢者が法律家の支援を受けやすくすることができるような活動にも、当地の弁護士は取り組んでいます。

具体的には、地域包括支援センターからの相談に応じたり、ケース検討会議への出席、研修会の講師を行うことなどが含まれますが、これらはいずれも無償での取り組みです。

 

具体的な取り組みについて

さて、私は、帯広市に隣接する芽室町というところの地域包括支援センターを担当し、これまで、市民後見人の養成研修制度についての検討会に参加して、その立ち上げの手伝いをするなどの活動をしています。

当然のことではあるのですが、自治体の職員はちょっとしたことでも適法性に気を遣いながら仕事を進めているという印象を受けるところで、その意味では法律面での相談がしやすくなることには意味があるように感じています。

 

今後の課題

このような活動は、個々の弁護士の営業活動としては必ずしも利益につながるとは限りません。本来的には、一定の役務の提供に対価が伴うのが経済の原理ですが、他方、弁護士としては、与えられている希少な資格をいかに社会に還元すべきかという視点を無視できません。

ただ、そのような視点の前提は既に変わってきていますし、また、割と新しい分野ですから困難も伴うところです。

日弁連は、「福祉を実践する地方自治体等といかに適切に連携していくか、その連携のあり方がきわめて重要となっている」といった感じで旗を振ってはいるものの、そう容易に取り組みを進められる分野でもないように感じます。

特に、このような事業を持続できるかどうかは、福祉の分野に弁護士が関与することに大きなメリットがある、ということについて社会的な理解を十分に得ることにかかってきます。その意味では、弁護士側の努力も必要ではありますが、制度的な工夫もしていく必要があるものと思います。