行政活動とのかかわり(6)行政不服審査

行政不服審査法の改正により、審査庁の判断の妥当性をチェックするための第三者機関の設置が、各自治体にも義務づけられることになりました(行政不服審査法81条1項)。

そこで、道東地区でも、各自治体でその機関を構成する委員の選任が新たに必要となり、各地で弁護士が委員となるケースが見られます1

そんな事情で、当職もこの度池田町の設置する第三者機関の委員に任命されることとなりました。当町の委員3名は全員弁護士ということで特徴的な構成かもしれません。

ただ、機関を設置しても、一般的には、地方自治体における行政への不服申立ての利用件数は少ない場合もあるようです2。そこで、今後、法改正に伴ってどの程度この手続が利用されるようになるか、推移を注視していく必要があります。

私自身も、弁護士ですから法令に精通しているべき立場であるとはいえ、実際のところ行政手続に関与する機会は多くありません。過去には、例えば、住民監査請求(地方自治法242条)に関与したりということはありましたが、常日頃扱う性質のものではありません。そこで、今後は更に行政上の手続にも理解を深めた上で、職務を全うすることができるようにしたいと思います。


  1. この点、「地方公共団体に置かれる第三者機関は、第三者の立場から、審理員が行った審理手続の適正性及び審査庁の判断について審議する役割を担っていることから、第三者機関の委員には、公正な判断能力を有し、法律又は行政に精通している者を選ぶことが適当」とされる(伊東健次編著『Q&A行政不服審査制度の解説』190頁〔2015、ぎょうせい〕)。 

  2. 「自治体の審査会の設置及び組織については、各自治体の実情に応じて様々な形態が考えられるところであるが、平成21年度における新規の不服申立て(行政不服審査法及びその他の法律に基づくもの)が1件もなかった市区が35.7%、町村に至っては87.5%に及んでいる」との指摘がある(中村健人著・折橋洋介監修『改正行政不服審査法 自治体の検討課題と対応のポイント【施行令対応版】』51頁〔2015、第一法規〕)。 

タイトルとURLをコピーしました