大麻取締法違反の刑事弁護

dsc_0013.jpg

最近は刑事事件を扱う機会も少なくなりましたが、これまで扱ったうちでは薬物事犯は少なくない割合を占めています。主として覚せい剤取締法違反の事件が多いのですが、大麻取締法違反の事件を扱う機会もそう珍しいことではありません。

そこで、今回は大麻取締法違反事件の特徴について触れたいと思います。

 

北海道の特殊性

北海道の大麻事犯における最大の特殊性として、大麻が自生していることがあります。結構、そこら中に生えています。

しかし、当然ながら、大麻が生えているところはお巡りさんがマークしているでしょうし、よその人が田舎の草地でゴソゴソやってれば怪しまれるというものです。

どうも、道東の大麻はキマる、という噂でもあるのか分かりませんが、時期になると集団で大麻を刈りに来る人もいるようですし、取っているところを捕まるといったこともあるようです。

自生大麻については、厚生労働省の麻薬取締部で草刈りをするなどして駆除を図っているようですが(昔の釧路修習では大麻駆除の見学があったらしい)、大麻という植物は成長が早いのでいたちごっこです。

 

所持量の多さ

もう一つの北海道における大麻事件の特徴として、所持量が半端でないことがあります。

何故そうなるのか良く分からないのですが、大麻の自生地に辿り着くとテンションが上がってやたらと刈り取ってしまうようなこともあるのかもしれません。

法廷にもいくつものビニール袋いっぱいに証拠物として運ばれてくることがあります。

所持量は量刑に影響しますから由々しき問題です。また、余りに所持量が多いと自分で使うためだけじゃないんじゃないか、という疑いが掛けられかねません。そこで、この種の事案では、何でそんなに持っていたのか十分に被疑者・被告人の言い分を聞くことは重要な弁護活動のポイントのようには思います。

 

若者の使用

そして、これは北海道に限ったことではないのでしょうが、大麻事件の特徴としては若い人が多いということはあるように思います。若い人は大麻への抵抗感が比較的低いのかもしれません。

ところで、大麻はたばこより害がないし、大麻の使用が合法な国も少なからずあるのだからそもそも規制はおかしい、という意見を耳にすることも昨今ではよくあります。

もちろん、規制が違憲であるとの主張はあり得るのかもしれませんが、余り考えないでそのような意見を法廷で言ってしまうと、反省が足りないといわれても仕方がないという実情ではあろうかと思います。その意味で大麻の事案は弁護人泣かせです。

ここは、弁護人がそれぞれ工夫して被告人の理解を得るよう努めるべきところではあるのでしょう。

大麻についての考え方が国によって違うというなら、まずは各国の規制を良く理解してもらうことも一応の意味があるようにも思っています。例えば、大麻の使用が合法化されているところもある一方で、大麻の所持量によっては死刑になる国もある、といった話をすることはあります。実際、シンガポールの入国カードには”DEATH FOR DRUG TRAFFICKERS UNDER SINGAPORE LAW“(意訳:運び屋は殺す。)みたいなことがデカデカと書かれていて、度肝を抜かれた記憶がありました。

 

まとめ

以前、大麻事犯で有罪判決を言い渡した裁判官が「北海道には大麻が生えているから二度と来ないでください。」と説諭していたことがありました。ええっ?と一瞬耳を疑ったのですが、確かに、大麻が自生していることで生じる問題もあるようです。

以上、北海道における大麻事犯には、色々と際だった傾向があるようには思っているところです。