開拓の黒歴史

image020

旭川と網走を結んでいる石北本線の遠軽と北見の間に、常紋トンネルというトンネルがあります。

このトンネルは100年ほど前に完成していますが、工事の際にはタコ部屋に労働者を監禁して強制的に労働させていました。酷使で死んだ労働者はその辺に埋めていたようです。

かつて、トンネルの改修工事をしたところ、壁から人柱となった労働者の骨が出てきたこともありました。

このような凄惨な経緯もあって、トンネルの近くには非業の死を遂げた労働者のための追悼碑が建立されています。

追悼碑の碑文にはこのようにあります。

常紋トンネルは、大正元年から三年の歳月をかけ、本州から募集された人びとの強制労働によって建設されました。工事の途上、粗食、重労働、リンチなどによって殉難された方がたは、百数十人以上と伝えられています。

この鉄道によって限りない恩恵を受けている私たちは、無念の死をとげた方がたを追悼し、北海道開拓の歴史から葬られてきた人びとの功績を末永く後世に伝え、ふたたび、人間の尊厳がふみにじられることのないよう誓いをあらたにしてこの碑を建立します。

この碑文を読んでいると、「ふたたび、人間の尊厳がふみにじられることのないよう誓いをあらたに…」との言葉のあたりで、大変ぐっとくるものがあります。

 

今では、日本国憲法18条が奴隷的拘束及び苦役からの自由を定めており、それは私人間にも適用があるとされています。

このような規定が今の時代に何の意味があるのかと思ったりもしたものです。

しかし、この辺りの建設工事で奴隷労働が行われたのは、僅かに100年ほど前のことに過ぎません。そう思うと、この地で非業の死を遂げた人たちの心の叫びが結実したこの規定には、現代でも重い意義があるということを強く感じます。

 

ところで、この追悼碑のある常紋トンネルの付近は心霊スポットとして知られており、昔から、火の玉が出るとか怪死者が出るといった噂があるようです。

私も、この付近を通る度に背筋に寒気を感じ、また、この追悼碑に行こうとしたら追悼碑へ続く階段が滑って何度登ってもたどり着けないので怖くなって帰ったこともありました。

私自身は霊感のない方ですが、これは間違いなく何かが出ている、という実感です。

北海道にはこのような地があることを忘れることなく、非業の死を遂げた人たちへの供養の念を忘れないようにしたいと思います。

 

 


2015-09-03 | カテゴリー : コラム, 憲法 | 投稿者 : Yoshitada Iwata