働き方を考える(2)どう働くのか

当地の光景

 

当地に赴任した人の話を聞くと、転勤についていささかネガティブな反応が出ることがある。

イソ弁以来の職業生活を好んで当地で営んでいる私には、その感覚は良く分からない。ただ、望まぬ転勤は辛いのだと思う。

余談ながら、イソ弁は給料の3倍稼げといわれたりすることがある。それは結構大変である。ただ、私の場合、稼いだ分を全部もらえる破格の待遇だった。昔はそのくらい弁護士が足りなかったのである。

 

職住一致

さて、私は、結婚に伴い独立することになり、その後に子供が2人生まれた。

夫婦それぞれで仕事は続けていたので、子供を保育園に預けていても、熱を出したとか怪我をしたとかイレギュラーなことが発生すると、仕事との兼ね合いで対処が厳しくなる。自宅と職場と保育所と移動するのも時間がかかる。子供が小学校に通うようになれば、放課後どう過ごすかという問題もある。

そのような問題をまとめて解決するため、保育園と小学校のいずれにも近い場所に自宅兼事務所を建てた。いわばライフハックである。

 

通勤がない

通勤時間は0分になった。

それまでも片道10分程度だったが、1日あたり夫婦で往復延べ40分節約できる。タイムチャージを1時間2万円、年間通勤日数を240日とすれば、単純に考えて経済効果は320万円/年である。

もちろん、その分仕事がなければ机上の空論に過ぎない。だが、こう計算してみて、通勤に費やす時間の価値を理解した。

通勤という観点だけで見ると、首都圏は壮大な社会的損失を生み出している。経済全体ではそれを超えるメリットもあるかもしれないが、何より実際に通勤する人が壊れる。

 

子連れ出勤

最近、子供を職場に連れて来て良いかという議論が沸騰している。

うちの場合、以前も子供を連れて出勤していたことはあった。今では、連れて来る以前の問題で、家にいる。

子供の相手をする必要があると仕事に影響しないのか、という問題はある。確かに、仕事の手が止まることもあるし、二人同時に出張できないといった業務面での制約が生ずることもある。とはいえ、そこは長い目で見て考えるということではある。

家庭の事情が業務に影響する場合があるのは、誰であろうとも仕方がない。家庭の事情に関わりなくパフォーマンスを常に発揮すべきだ、という考え方もあるのかもしれないが、率直にいえば人間離れしている。

なお、うちの弁護士会では、各種の業務や行事に子供を連れて行っても文句を言う人はいない。そのような雰囲気が醸成されたのは、ある先輩弁護士のご夫婦が子供を普通に連れてきていたあたりからだと思うので、もう10年以上前からのことである。

 

デメリットなどについて

もちろん、職場と住居が一致することのデメリットはある。弁護士の場合はセキュリティの問題が深刻な場合もありうるから、一概に良いとはいえない(実際、今の時代では、このようなスタイルは主流ではない。)。

また、顧客層によっては、現代的なビルディングに立派な事務所を構えた方が受けが良い、といった事情はあるかもしれない。

とはいえ、そのような事情があるとしても、そこは何を優先するかという問題である。素っ気ない建物であっても、自前の物件である。たまに、良い壁紙使ってますねとおっしゃってくれるような方もいるので、見る人が見れば分かるのだと思う。

(つづく)