事業承継と弁護士関与(1)はじめに

弁護士業務の魅力は何であろうか?

あえて一つ挙げれば、社会の変化に伴う法的問題を自分で見つけて解決できることにある。

実際のところは、紛争というものは生々しいからそんなに言うほどスマートではない。できるだけ清く正しく美しく述べようとすれば、そういうことだと思うに過ぎない。

これを、時流に乗って儲けられる、などと言ってしまっては大変品が無くてイケない。弁護士の仕事には、儲かるか否かに関係なく価値を持つものが存在する。本来は、そのような仕事を手がける人こそ賞賛されなければならない。

とはいえ、そんな思いを抱いて幾星霜、事務所に籠っても社会の変化は見えるでもなく、名前が広まるでもない。そこで、未済の起案に後ろ髪を引かれつつ、営業活動に勤しんでいる。

 

どこへ行っても事業承継問題

さて、そのようなことをしていると、「こんな所まで来て弁護士さんも大変ですね?」とか「うちはもう誰々先生に頼んでるよ!」というありがちな反応が帰って来る。

当職はナイーブなものだからそう言われるといちいち心が折れていたのだが、次第にそのようなことも華麗にスルーできる程度になってきたあたりから少し様相が変わってきたように思われた。

ここ2~3年のところ、どこに行っても事業承継、事業承継、事業承継…という話が聞こえてくることが多くなった。 事業承継が問題だから何かしなきゃいけない!、などとみんな揃って言うものの、各種団体や個別の経営者は何から手を付けたら良いのかよく分かってない雰囲気である。

また、当職とて似たようなことで、どのような関連業務を手がけていくべきであろうかと思うようになった。

もちろん、経営者の法的問題として、遺言を書くだとか、遺留分減殺請求に関与するといった限定的な関わりはあったが、その程度だけでは十分であるとはいえない。

 

本来業務のことを書く

ということで、しばらくの間情報収集に努めることにして来たので、現時点で考えていることをまとめておくことにしたい。

本来業務に直結する事柄をブログに書くことは非常に難しく、勝手が違ってなかなか筆が進まないのではあるが、それでも、しばらくお付き合いいただければ幸甚である。

(つづく)

 

 

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