城跡と裁判所(18)那覇地方裁判所・福岡高等裁判所那覇支部

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沖縄県の中心都市である那覇市は人口32万を超え、人口規模で例えれば埼玉県の越谷市と概ね同じくらいということになります(比較の必然性は全くありませんが、昔、越谷在住の高校の国語科の先生がそのような例えをしていたというだけです。)。

那覇市には那覇地方裁判所本庁及び福岡高等裁判所那覇支部が置かれています。

ところで、この裁判所が日本国憲法の下で司法権を行使する機能を果たすようになったのは、1972年5月15日に本土復帰して以降のことです。

つまり、本土に比べて四半世紀ほど日が浅いというわけで、そのような意味では特殊な成り立ちを持つ裁判所です。

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さて、裁判所のある一角からは離れて、かつての琉球王府であった首里城跡があります。

昔の城跡は沖縄戦で破壊し尽くされてしまいましたから、現在あるのは復元によるものです。しかし、城跡に行ってみれば、建物も石垣も本土にある城とは全く違う様子であることは一見して分かります。

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沖縄は本土とは大きく異なる歴史的・文化的な背景を持つ地域ですが、様々な軋轢を経ながら現在の日本国としての国家的な統合が果たされてきました。

ただ、沖縄からの視点で日本あるいは世界の歴史を眺めてみた場合には、そのような統合がなされている状態はそんなに当たり前のことなのであろうか、とも思えてきます。

果たして、日本国憲法の掲げる様々な理念はこの地で血肉化しているのかどうかと問い直してみると、なお多くの課題に突き当たりますし、それだけに、この地における司法の役割は他にも増して重いように感じられてなりません。

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