城跡と裁判所(15)秋田地方裁判所・仙台高等裁判所秋田支部

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秋田地方裁判所の庁舎は他の裁判所と代わり映えしない、といいますかちょっと老朽化が進んでいるような雰囲気です。特筆すべきこととしては、県庁所在地にある裁判所にしては駐車場がかなり広いです。やはり、秋田も車社会だということなのでしょう。

以前の記事(高裁支部の適正配置)でも触れましたが、この庁舎には仙台高等裁判所秋田支部も設置されており、大雑把にいえば秋田県全域の他、青森の弘前、五所川原、山形の酒田、鶴岡といった東北地方の日本海側の地域に関する控訴審を管轄しています(但し、秋田県以外の行政訴訟や裁判員裁判はこの限りではないはずです。)。

ところで、高等裁判所の支部に関しては、高裁支部長就任者のキャリアパス分析-その経歴的資源に着目してーという論文があることを知りました。論文の要旨を引用しますと、

一口でいえば、高裁支部長ポストは冷遇ポストにほかならない。そして、高裁本庁の管轄地域と高裁支部のそれとでは、明確にキャリアの異なる裁判官が配置されている。とはいえ、どこに住んでいるかで裁判を受ける権利に「ばらつき」があってはならないはずである。

なかなか恐ろしい内容です。もちろん、裁判官の人事は司法権の独立の中核をなすものではあるのですが、外から見ればよく分からないことも多いようには感じるところです。

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さて、司法行政の生々しい話はその程度にして、官庁街にある裁判所からは少し離れてむしろ秋田駅に近いところにある千秋公園(久保田城跡)を訪ねてみることにします。秋田市は佐竹氏の居城であった久保田城を中心として発展していった街です。そういえば、現在の秋田県知事も佐竹さんという名前ですが、佐竹氏の一門の方であるようです。

ここの城跡は石垣がほとんどないのが特徴的で、公園となった現在も全体として気品のあるたたずまいを見せています。

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佐竹氏は元々は常陸国の一帯を支配する有力大名でしたが、徳川家康に命じられた国替えにより秋田に移ったことから、財政的には厳しい状況を余儀なくされたようです。そのようなこともあって、この城には天守閣を元々造らなかったということですが、秋田市内を一望できる場所には御隅櫓が復元されています。

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