弁護人の選任

私選弁護人の選任は、身柄拘束をされているかどうかに関係なく可能です。

逮捕・勾留をされていなくとも犯罪の疑いにより捜査対象となる場合はありますので、そのような段階からでも、弁護人を選任して必要なアドバイスを受けながら捜査への対応を行う場合もあります。

また、身柄が拘束されている場合には、初回の接見を無料で行うことができる制度(当番弁護士)があります。

裁判への対応

保釈

起訴後の勾留に移った場合には、保釈の申請を行うことができます。条件が整えば、積極的に保釈の申請をしています。

保釈にあたっては保釈保証金の納付が必要になります。目安は150万円前後のようですが事案によっても異なります。 最近は、保釈保証金の貸付・保証の制度が普及しつつありますが、必ずしも利用できるとは限りません。また、保証金を用意できれば必ず釈放されるわけではないことに注意を要します。

なお、当事務所では、保釈の成功報酬を保釈保証金額に比例して定める仕組みは採用していません。

公判

正式裁判となった場合は、被告人の意向を確認した上で、検察官が提出する予定の証拠に対する意見を述べ、また、必要に応じて被告人に有利となる証拠の取調べを請求します。

また、取り調べられた証拠を踏まえて、事件に関する弁護人としての意見を述べます。

判決後の対応

判決の結果を踏まえてその後のアドバイスを行います。

犯行を認めていて執行猶予付きの有罪判決を受けた場合、執行猶予期間中に注意すべき点を説明し、必要に応じて保釈保証金の返金などの事務を行います。

犯行を否認していても有罪判決を受けたり、あるいは、犯行を認めていながら実刑判決を受けた場合、控訴をするかどうか協議の上、必要があれば控訴の手続を行います。

なお、特に国選弁護事件の場合には、執行猶予判決が出ても被告人に身寄りがなく自宅に帰る旅費もないといった場合は更生緊急保護を利用することがあり、必要に応じて保護観察官事務所に同行するなどの対応を行うことはあります。また、国選弁護事件では訴訟費用の負担を命ぜられることがあり、その場合には検察庁で支払い方法について説明を受けるよう助言しますが、中には支払が困難と思われることもあるため、被告人の了解を得て訴訟費用の免除の申請を行うなどすることがあります。

外国人事件

当事務所の各弁護士は、外国人の刑事事件の取扱いをした経験があり、韓国、中国、ロシア等の国籍の被疑者・被告人の弁護活動を行ったことがあります。

外国人事件は、言葉が違うことによる意思疎通の問題も大きく、また、外国との制度や文化の違いもあるため、日本人の刑事事件とは異なる困難が少なくありません。 外国人事件を受任した場合、当該国の領事、通訳、その他の関係者等と必要な連携をしながら対応に当たっています。

少年事件

少年の刑事事件につきましても、少年の社会内での更生を図ることを第一として弁護活動に取り組んでいます。

成年の刑事事件と異なるのは、全ての事件が家庭裁判所に送られて判断される点にあります。特に、十勝地区の場合は、観護措置決定が出ると少年の身柄が釧路の少年鑑別所に移されてしまい、概ね4週間弱は身柄が取られたままになることがあります。これは少年の生活上も重大な影響があります。

このため、少年の弁護人・付添人となった場合には、まずは可能な限り自宅に帰してもらえるように環境を調整することが重要になります。少年の家族、勤務先、通学先等と連絡を取り合いながら、社会内での更生が可能となるよう環境の調整に努めることになります。